庄内町の日本酒 酒蔵「鯉川酒造・やまと桜」
1月は「お酒(日本酒)」についての記事です。
日本酒と聞くと年配の男性が飲むイメージが強いですがそんなことはなく、
近年は女性にも好んで飲まれています。スパークリング清酒などが人気ですね。
お正月など祝い事には欠かせない日本酒ですが一言で日本酒と言っても奥が深いお酒です。
12月の幻の米「亀ノ尾」の記事で、
現在は酒米として用いられていると触れましたが日本酒はお米が命。
お米がたくさん作られている山形ではその自慢のお米と
鳥海山、月山、出羽三山の雪解け水の自然の恵みから美味しいお酒が多くつくられています。
日本酒について
日本酒とは主に米・麹(米麹)・水を原料とし、発酵させ、こしたお酒(清酒)です。
”こす”とは酒と酒粕を分けること(上槽)で、液体と固体に分けることを指します。
こした後にろ過を行い清酒となります。
日本酒の選び方
日本酒も種類があり、大吟醸酒・吟醸酒・純米酒・本醸造酒・普通酒となります。
純米酒はアルコールを添加せずに米・米麹・水のみでつくられ、
醸造酒・普通酒は醸造アルコールを添加してつくられます。
さらに精米歩合(米を削って残った割合)によって種類も変わってくるのです。
一般的に精米歩合50%以下が大吟醸、60%以下が吟醸酒となります。
また、日本酒度や総酸度、アミノ酸度もお酒を選ぶうえで重要視されますね。
日本酒度とは糖分がどのくらい含まれているかの目安になります。
日本酒度がプラスでより数字が大きいものが辛口、
マイナスで数字が大きいものが甘口と覚えるとお酒が選びやすくなります。
酒粕
漬物はもちろん春は孟宗汁、冬は寒鱈汁と庄内の食文化にかかすことの出来ない酒粕。
庄内では芋煮にも酒粕を入れる家庭も多いです。
酒粕は酒造りの工程のこす作業(上槽)で酒と酒粕に分けられます。
夏は練り粕、冬は板状の白い板粕が主流です。
各酒蔵で酒粕も販売しているので酒粕の味・風味の違いも味わえます。
写真は樽のなかで発酵している最中の写真です。
泡が生まれ、弾ける音がポコポコと聞こえてきます。
庄内町の酒蔵
庄内町には大正時代7軒、昭和には6軒の酒蔵がありました。
それぞれの酒蔵の特徴とおすすめのお酒の紹介、おすすめの飲み方や合う料理をご紹介します。
鯉川酒造
山形県東田川郡庄内町余目字興野42
1725年創業。現在は全量純米酒の酒蔵として新たな1歩を踏み出しています。
漫画「夏子の酒」のモデルとなった亀ノ尾発祥の地の酒蔵ということで
亀ノ尾を使用したお酒に力を入れ、昭和56年に杜氏自ら亀ノ尾の復活栽培を開始。
現在も亀の尾をはじめ山形県産の米のみを使用し製造しています。
おすすめのお酒:純米吟醸 亀治好日 精米歩合55% 日本酒度+6
亀ノ尾を100%使用し半年以上の熟成を経て出荷されます。
ぬる燗がおすすめ。燗にすることで旨味と酸味がひきたち、豊かな味わいになります。
白身魚によく合い、イタリアンとの組み合わせがとても良い純米酒です。
やまと桜(佐藤佐治右衛門商店)
山形県東田川郡庄内町余目町255
1890年創業。現在は名杜氏である佐藤杜氏を筆頭に酒造りが行われています。
地元と深くつながり県内産米を使用し水にこだわって県産酒を製造。
出荷は県内8割、県外2割の割合で出荷しています。
くせがなく、味と香りがほど良く調和する飲み飽きしないお酒を造りたいと代表は語ります。
おすすめのお酒:純米吟醸 やまと桜 出羽燦々 精米歩合50% 日本酒度+3
山形県産出羽燦々100%使用で山形酵母で作られた地元のお酒。
常温またはやや冷やして飲むのがおすすめ。豚しゃぶとの組み合わせがイチオシ。
白地に桜の絵が描かれたオリジナルの箱も喜ばれています。
酒での交流・庄内新酒祭り
庄内町では去年の2月に「米のふるさと新酒まつり2020」が開催され、
庄内町の2つの酒蔵と2つの酒屋、そしてハナブサ醤油の5か所をめぐるイベントで
全国各地から来県した300名の方に庄内町のお酒を味わっていただきました。
「夏子の酒」の作者尾瀬あきら氏のトークショーとサイン会が行われ、
トークショーでは鯉川酒造社長佐藤一良さんと阿部耕祐さん(阿部亀治の子孫)による
酒づくりと米づくりの思いも語られました。
ハナブサ醤油では庄内の発酵食品の料理がふるまわれ、大変好評でした。
2020年初めての試みでしたが、さらに庄内の日本酒に触れる機会が増えていくのが楽しみですね。
庄内町だけでなく庄内地方の酒田市鶴岡市にも優れた酒蔵が多数あるので飲み比べも楽しめます。
また、季節によって新酒やにごり酒、冷と熱燗の飲み比べなど楽しみ方も多種多様。
ぜひ好みの日本酒を見つけ、お気に入りの食べ合わせや飲み方を探してみてください。
2月28日まで山形県酒造組合の 山形の酒米応援キャンペーンも開催中なので
山形県産酒米の日本酒をこの機会にぜひ。
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