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庄内町発祥のお米「森多早生」の田んぼが興味深い!

米どころの庄内平野では厳しい暑さの中でも風に乗って稲穂が揺れています。

広い田んぼを見渡してもどの田んぼが何の品種か素人の目ではわからないのですが、

庄内町にゆかりのある「亀ノ尾」と「森多早生」は他の田んぼと比べて一目瞭然。

今回はその森多早生の田んぼに行ってきました。

 

森多早生

庄内町は「亀ノ尾」発祥の地として知られていますが、

今回紹介する「森多早生」も庄内町発祥の品種です。

森多早生は現在も人気のある「ササニシキ」や「コシヒカリ」のルーツとなった品種で、

1913年に庄内町廿六木地区の森屋 多郎左エ門が創り出しました。

当時、森屋 多郎左エ門はなんと22歳という若さで新品種を創選したのだそう。

森多早生は当時の品種としては短稈(茎が短い)で倒伏が少なかったことなどから、

大正初期以降、農事改良の進んだ県内で広く栽培されました。

 

森多早生は近代品種の広がりなどもあり長い間作付が無く幻となっていましたが、

2011年に庄内町廿六木にて種子を受け継ぎ、

後世に残していこうとJAあまるめが復活栽培を開始しました。

 

こちらが今年の森多早生の様子です。

 

復活栽培を開始した2011年以降、

毎年発祥の地である廿六木地区の田んぼにて栽培されいて、

森多早生の田んぼは誰でも見に行くことが出来ます。

写真でもわかるように稲穂が白く長く見えますよね。

他の品種の田んぼに比べて、森多早生は田んぼ全体が白く見えることが特徴です。

 

ちなみに他の品種の田んぼがこちら。

穂が色づき、稲も少しずつ緑から黄色になってきているので、

田んぼ一面が黄色に見えて森多早生の田んぼとの違いは一目瞭然です。

 

森多早生の田んぼでは花が咲いた後の8月後半から一面が白く見えるようになります。

 

白く見える理由は「芒(のぎ)」と呼ばれる部分が他の品種と比べて長い為です。

もみ一粒ずつから突起状のひげのようなものが伸びていて、これを芒と呼びます。

麦やススキを想像するとわかりやすいかもしれません。

風が吹くと稲穂と共に芒が揺れる姿は美しく、迫力があります。

 

森多早生は現在もJAあまるめにて食用米として手に入れることも出来ます。

大正時代の米というとあまり美味しくないイメージを持ちますが、

庄内町の寿司店「依田善」にて森多早生を調理してもらい実際に味見したところ、

コシヒカリ・ササニシキのルーツ米ということもあり味は現在のお米に全く引けを取りません。

毎日食べても食べ飽きしないようなさっぱりとした甘みがあり米そのものの旨みも感じられます。

巻き寿司でもいただいたのですがすし酢や具材との相性も良く、

具材の美味しさを引き立てつつ全体をまとめてくれる存在感がありました。

 

 

 

鯉川酒造

森多早生は現在酒米としても活躍しています。

2011年にJAあまるめが森多早生の復活栽培を開始し、

翌年2012年より復活栽培した森多早生を原料として、

地元の鯉川酒造が日本酒「白凛」の醸造を開始しました。

白凛という名前は森多早生が白く凛々しい様子から付けられた名前です。

鯉川酒造は亀ノ尾を復活させ酒造りを行っている酒蔵としても知られています。

鯉川酒造の社長にお話しを伺ったところ、森多早生は食用米として創選された為、

高たんぱくの遺伝子を持っている品種で酒米としてはたんぱく質が多いのだそう。

森多早生自体は酒づくりに向いている品種ではないのですが、

鯉川酒造が亀ノ尾で酒づくりを行うノウハウを持っていたことで日本酒の商品化が実現。

 

 

2012年より醸造開始した白凛は精米歩合55%の純米吟醸です。

醸造開始より10年が経ち、昨年2022年に森多早生を100%使用した新しいお酒

「純米大吟醸 森屋多郎左エ門」が誕生しました。

創選者である森屋多郎左エ門の名が付けられたこのお酒は白凛とはガラッと違い、

精米歩合40%の純米大吟醸、滓引き後無濾過、火入れを行わない生原酒として登場。

原酒の為アルコール分は高めですが、口当たりが良くスッとした飲みやすさがあります。

お米として食べるのとはまた違ったフルーティーな香り・味わいが楽しめます。

さらにこれから火入れを行い熟成させた

純米大吟醸 森屋多郎左エ門も発売するとのことでこちらも楽しみですね。

 

一度忘れられかけた大正時代のお米が復活栽培を果たし今も引き継がれ、

さらに新しい商品としても生まれ変わり、進化もしているというのは感慨深いですね。

 

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